<<< 回顧シリーズ>>>

#5−ゴルフ   030522−0603


われも時代の子なればゴルフとも縁なしとしない。

筆おろしは砧であった。
世田谷にあったパブリックのゴルフ場である。いつからいつまであったのかか知 らないが、小生が初めて行ったのは昭和31年だったと思う。

入門書くらいは読んだかもしれないがクラブを握ったことなく、練習場なるものを知 らず、コーチも能書きをたれる先輩もなく、 ただいきなりゴルフをやりにゴルフ場に行ったのであった。一人で行ったのであっ た。
クラブは父のを黙って借用した。

週日の昼間の砧パブリックゴルフ場は、前にも後にも人の姿を見なかった。
学生の分際とてキャデイを従えるのは相応でないと、一人でコースに出たのであっ た。
誰もいないのだから誰に臆することなく、最初の空振りをしたのだった。
ゴルフになるわけがない。 いやあれこそ純粋ゴルフだったのかもしれない。

何回行っただろうか。
友達を連れて行ったこともあった。クラブは一式を皆で使った。

ある時、やはり1人でまわっている青年と一緒になった。
彼は1本のクラブでまわっていた。 そのクラブはギアでロフトが変えられるようになっていて、パターから9番まで使え るのだった。
あれから数十年、可変ピッチクラブは見たことも聞いたこともない。

誰も見えないゴルフ場、万能クラブ、まこと夢まぼろしの如くである。



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わが就職当時の会社社会文化では、若い者(独身社員をさすのかな)がゴルフをやる のはまだ早い、であった。
出光でもそうだったからもっぱら夏はヨット、冬はラグビーに明け暮れて、ゴルフに関心はなかった。
夏は真っ黒、冬は面擦れで、まともな顔をしている時はなかった。第2列のロックだ から前の奴の尻にはさまれて頬が擦れるのである。でも若さの故で金曜にはだいたい かさぶたがとれ、土曜のガールハントには間に合うのだった。

小生のゴルフは一貫して接待(する側の)ゴルフである。
客側とこちら上役の日程調整、場所選びと確保、賞品選び、このあたりの苦労は諸兄 と同じである。特に日程調整に泣かされた。

若いうちのゴルフ場は、組織が保有する法人会員権(当時は無記名の会員権がたくさ んあった)や上役の入っているクラブ、主な得意先の入っているクラブに行くことが 多くなる。
よく行ったのは相模、我孫子だったか。

石油会社仲間の懇親ゴルフは、本当の意味は談合の下地作りなのだが、同年輩で箱根 や伊豆に出かけて楽しかった。

千葉に行ってからは姉崎と袖ヶ浦が多かった。千葉には製油所があり、出光グループ で数十枚の法人券を持っていた。。
千葉でマイボートを買ってからゴルフとはだんだん遠くなった。わがゴルフ盛りはラ グビーをやめてヨットを買うまでの間である。

神戸で一番行ったのは広野(神戸支店長のコース)である。西宮や宝塚、茨木にも 行った。営業課長として芦屋のメンバーにしてもらったがあまり行かなかった。
そもそも小生は一人でゴルフに行ったことはない(砧を除き)。もっぱらコンペで出 かけるのである。
コンペはいい。だいたいが週日で、それで取引先との付合いになるのだから事務所で 仕事をしているよりずっといい。うまくいくと賞品ももらえる。コンペ大好きであ る。
休日に取引先や社内同士で1パーテイで出かけることはまずしなかった。ゴルフのス タートは何週間も前からとらなければならない。数週間後のその休日がどんな好い日 (海日和)になるか判らないのに、どうしてゴルフなんぞに固定してしまわなければ ならないか。

芦屋で思い出したが面接を受けたなあ。
3月に1回だかの面接日に、錚々たる(と思われる)顔ぶれが30人あまり面白くな さそうな顔をして待っていた。
面接官は三和銀行の頭取だったか。


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静岡では支店長として富士宮と葛城のメンバーとなった。
これもあまり行かなかった。
とにかく1人で行くことはない、1パーテイのスタートはとらない、使うのはコンペ のスタート取りだけ、なのだからご無沙汰になってしまう。
葛城は川上源一のヤマハグルメが良かったのだが。

そのうちにゴルフはやらなくなってしまった。
麻雀と同じである。

クラブのことを思い出したので書いておく。
最初のクラブは父のお下がりであった。
次に使ったのは「クルック・シャンク」という銘柄で、ある人から麻雀のかたに取り上げたものだった。
そして次に使ったのが妻の父からのお下がりで「ウイルソン」といい、握りが皮で巻いてある年代物で皆から珍しがられた。
かくしてドライバーなどの消耗品を除いて自分でクラブを買ったことがない。

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