「クルージング・ワールド誌(米)に載った希望号」

 

 「クルージング・ワールド」誌1月号(98)を見て驚きました。KAZI誌に長らく連載されていた藤村正人氏の「希望」号の航海が取り上げられています。しかも写真をふんだんに使って8ページにもわたる大特集です。普通CW誌はこんなに長い記事は載せません。破格の扱いです。

 

 実は私は、私の「黒潮ジャーナル」で「希望」号の連載記事を評価しないと書きました。その理由として2点をあげました。(1)艇が汚い。僕は艇を不潔にしておく人の人格をを信用しない。(2)航海の内容をを面白くしているスリルやアクシデントの殆ど全部が、今時の通常水準をはるかに下回る艇の低性能に起因している。

 この評価はCW誌の特集を見たいまでも変わりません。

 

 CW誌の写真ではその不潔さは写っていませんでした。CW誌の選択眼なのか、提供した写真のせいなのか、それは判りません。

 ただ私はこの記事で非常な感銘を受けました。それは、この記事はインタービュー記事ではなく一人称の経験談として書かれているのですが、どうやら藤村氏ご本人が英語でお書きになった文章のようなのです。CW誌の記者が藤村氏になりすまして書いた、あるいは藤村氏の手記を英訳した文章とは思われません。レポートを読んでそう感じました。

 

 もしそうだとしたらなんと素晴らしいことでしょう。日本にこれまで何人の世界周航者が出たか知りませんが、航海記を自分で書いて世界の読者に向けて投稿した最初の人になるのではないでしょうか。

 だからこそCW誌もこれほど大きく取り上げてくれたのではないかと思います。

Kaz

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