∞∞∞セーリングクルーザー・クルーの条件∞∞∞∞∞∞
セーリング・クルーザーのクルーたるべき条件を、思いつくままに書いてみる。
1.ヨットの各部品・部位の名前を覚える人間であること。
ヨットの上には日常使わない名前が多い。それを全部覚える覚悟のない人間は結局ものにならない。
はじめに名前あり、である。
2.約束を守る。
プロのクルーでない以上、誰でも仕事を持っている。だから仕事を優先し、その余暇にヨットを楽しむことに異議はない。しかし一旦ヨットの行事に参加すると約束したら、その約束は仕事に優先しなければならない。
何故なら、集まる他の仲間も仕事をやりくりして来るのである。1人の欠員で行事が成り立たないことがある。場合により欠員が事故につながることがある。
仕事の優先は結局損得の問題である。ヨットの約束は生死に関わる。
3.きれい好き
ヨットの上では誰も自分に代わって掃除してくれる人間はいない。汚せば汚したままでその状態が継続する。自分がきれいにしなければきれいにならない。
私は初めてヨットに乗るゲストに言う。<食べ物は残すな。残したらすぐに捨てろ。><飲み物のカップは飲み干すまで置くな。置く時は空にしろ。> ビールの残ったカップをそのままデッキに置く人間を許せない。
ヨットの上では次の瞬間に何が起きるか判らない。突然大波がくるかもしれないし、突風が起きるかもしれない。艇の中に料理や飲み物をぶちまけるリスクを犯してはならない。
使った道具は使ったその手で元に位置に戻さなければいけない。これは鉄則である。緊急時、ここにナイフがある筈だと手を入れた場所にナイフがないと重大な事故につながる。
4.船酔い
どうしても船に弱い人は乗らない方がいい。酒の弱い人は飲んでも強くならないように、船も乗ったら強くなるものではないようだ。ただ<船に弱い>と思い込んでいる人 が多いので、そういう人は考えを変えればいい。
5.小型船舶操縦免許
免許を持った人間を<海上交通法規は知っているようだな>、<本気でやる気はありそうだ>と見る。
免許があるからといってヨットを動かせるとは全く思わない。免許の試験項目にヨットの実技はない。
6.パソコン
艇上にパソコンを持ち込むのが常識になっている。パソコン音痴は困る。
7.泳ぎ
競泳・遠泳の選手である必要はないが、近くの浮遊物を掴む程度の泳ぎはしてもらいたい。
8.装備
オイルスキン(雨合羽)とマリンブーツはクルーの個人持ち必需品である。艇の常備品ではない。これなくして風雨の中を耐え抜くことは出来ない。
過去どんなに鳴らしたヨットマンでも、今現在オイルスキンを持っていなければその場の役に立たない。悪天候は1晩も1日も何日も続く。
これくらいの条件を備えた上で、ヨットの操船を覚え航海の経験を積んでクルーとなる。