今夏のクルージング−2000728

 

今年の夏のクルージング報告です。

乗艇−<玄象>、下田の33フィート・ワンオフ艇。

乗員−Kオーナースキッパー(印刷屋さん)。Sさん(90キロの巨漢、建築士)。Iさん(大工さん)。森下(元セーラー、現ガーデナー)。それぞれに乗り手です。

初日(7/19)
  17:00下田港発。もやがかかってなんとなくすっきりしないが、穏やかな夜航である。20:30、南東の水平線に月の出を見た。
  岸を大きく離れて一直線で三木崎を目指したためちょうど名古屋航路と関西航路の真ん中となり、あまり本船に当たらなかった。


第2日(7/20)

真夏の航海。南西の風。1ポのメインを上げるがもっぱら機走である。6ノット強。
   16:25、尾鷲着。
  風呂−スチームサウナのあった「平和湯」は廃業していたので、「松の湯」に行った。
  外食−「つるぎ」で魚いろいろ。さすがの店である。むっつりと口数の少ないマスターと控えめのおかみのコンビも相変わらずで、やはり航海中最高の味であった。
  
第3日(7/21)
  04:15発。熊野灘の海岸線を堪能しながら進む。10:30、勝浦着。
  いつも着ける岸壁の前のほとんど潰れた鉄工所が看板が変わって稼動していた。

諸般の理由により白浜行きを変更し、英虞湾、的矢湾、鳥羽をゆっくりまわることにする。

Iさんは那智神社にお参り、我々はゴロゴロ。
  風呂−ホテル浦島・忘帰洞の2500円は高いので、320円の銭湯に行った。
  外食−鳥羽山。まぐろ丼、鯨ロースなど。魚屋が兼業する飯屋で魚はいいのだが、素人料理で最近はあまり感心しない。

第4日(7/22)
  04:15発。水平線に昇る朝日を見た。英虞湾内をまわり浜島に泊めるつもりだったが泊められず、布施田水道を抜けて大王崎波切港に入った。16:30着.
  風呂−旅館大王荘。港から町に入る角の旅館に頼んで入れてもらったが、窮屈でいい風呂ではない。500円。しかし波切ではここしかない。タオルをくれた。
  外食−田中屋料理店。魚料理。相変わらずいい味で安い。地元の人で繁盛している。
  買出しのスーパーは丘の上で随分遠い。

第5日(7/23)
  05:00出航。的矢湾に入り、まず安乗港に着ける。外から見るここの灯台の眺めが素敵なのでかねて憧れていた港だが、入ってみたらあまり風情はなかった.風呂も飯屋もないというので早々に出て、的矢湾内を周航する。民宿丸定の桟橋を見て、スペイン村前の橋をくぐり、渡鹿野島を一周する。大きなホテルが潰れているように見えたが、誰かが「いや、この商売だけは絶対に潰れない」と言う。
  10:00鳥羽入港。いつも着桟に苦労する港だが、今回フェリー乗り場ならびに着いていた大きな作業船の横に抱かせてもらうことが出来た。これはラッキーと喜んだのだが、実は出入りの船の引き波をかぶるあまりいい場所ではなかった。
  電車で伊勢参りに行く。昼食は松阪肉の牛丼。暑い日でへばった。赤福の店で抹茶金時を食べる。
  風呂−鳥羽旧市街を5,600メートルほど行った右側に「大正湯」という銭湯があった。今度行ったら廃業しているかもしれないような湯だ。
  外食−あまりの暑さに参ってしまい、僕は出かけずにヨットで弁当を食べた。出かけた連中は「あんなにマズイ飯を食わされたのは生まれて初めてだ」と云って帰ってきた。
  天気予報を聞いたら大王崎で19メートルの風と云っていたが、夜半鳥羽でも同じように吹き、寝られなかった。安乗に泊まっていたら大変な目にあうところだった。

第6日(7/24)
  本日より乗員2名となる。御前崎に向かう。約70マイルの長丁場である。
  04:30出航。順風、ほとんどセーリングで15:40着。
  風呂−丘の上に「ハバ−魚味」という入湯施設が出来ている。入湯料1000円。たまたまそこのオヤジが港に来ていて車で送ってくれた。帰りはタクシー。
  外食−なぶら市場の寿司屋がいいのだが、もう閉めていて別の飯屋で刺身定食など食った。よろしい。

第7日(7/25)
  05:00出航して清水に向かう。
 
 まだ降り出していないがカッパ着用する。進路45°、南よりの風約12ノットで1ポのメインだけ上げオートパイロットで機帆走。
  大井川港、焼津港をすぎ静岡市を望む頃から暗くなり雨が落ち始める。久能海岸にかかった頃からさらに暗くなり、3マイル先の海岸が視認出来なくなる。
  09:00.突然、あたりが真白に泡立って強風が吹き込み、艇はブローチング、周囲は暗くなって何も見えない。咄嗟にAPを解除してテイラーを握るが、振り回されて進路を保持出来ない。
  K艇長が果敢に3ポリーフを敢行するがやはり進路保持出来ない。コンパス、風速計、風向計に目がいくようになる。風速41〜45ノット。エンジンで舵効を維持する。
  遂にメインを降ろす。周囲は見えない。暴風と豪雨。20°ほど沖へ向けて走る。この間約15分。やっと風が25〜30ノットに落ちる。
  岸が十分に確認出来ない中をさらに1時間あまり走って清水港口に達した。
  長年船に乗っているがこれほどの急変は初めてである。
  K艇長の行動は沈着的確、見事であった。
  11:00、マリンパークのバースに着桟。

  外食−すぐ目の前がエスパルス会館でなんでもあるが、昼夜とも丸天食堂で魚を
食った。

午後は久しぶりに劇場で映画を観た。MI・U。ご存知か、トム・クルーズの「ミッション・インポシブルU」である。紙芝居。

第8日(7/26)
  大雨、強風予報で、1日待機した。
  風呂−港近くの「山登」という旅館で500円で入れてもらった。

第9日(7/27)
  04:20出航、11:30下田着。

<反省>

猛暑の中での体力消耗に自分自身不安を感じ、また周囲にも不安を与えた。

歳なのだから人並み以上に体調を整えなければいけないのに、まったく鍛錬不足であった。


                                                 以上